Macbook airでBlu-rayドライブを使う
白鳥は哀しからずや 空の青 海のあをにも染まずただよふ若山牧水
自宅PCをMacbook air (Mid2011 13")に乗り換えてから、しばらくはドライブ無しで使ってたのですが、さすがにないとやっぱり不便。ほとんど必要なケースはないんですが、CDリッピングくらいはやっぱりしたい。
一応、Windows PCもまだありますが、いちいちそのために別PCでWindows立ち上げるのも面倒。ということで、やっぱりドライブは購入することにしました。
さて、Macbook air用のドライブとしてまず候補にあがるのが、Apple純正のMacBook Air SuperDrive。専用ドライブなので見た目のデザインはMacbook airとの組み合わせでの機能は一番。itunesのバックアップなんかはこれでないとできないみたいだし。
とはいえ、このドライブ、Macbook air専用のため、他の機器では使えない。Windowsはもとより、Macbook Proでだって使えない。これはさすがにいまいち。
あともう一点悩ましいのがBlu-ray対応。どうせ新たに外付けドライブ買うのであれば、できればBlu-ray対応のものにしたいところです。自宅にはBDレコーダもありますし、別にMacでBDをみたいというわけではないんですが、BDレコーダでBDやDVDにバックアップとった個人ムービーを、PC環境でもう一度バックアップor編集したいと思うことが前々からありましたので。
というわけで、今回はsuperdriveはやめて、汎用のBlu-rayドライブを購入することに決めました。
私が購入したのは次のBUFFALOのポータブルBlu-rayドライブ(BR-PX68U2-BK)。
旧モデルなので安かったのが決め手です。発売が古いため、バンドルされている再生ソフトも古く、Updateが必須という話もあるようですが、私の場再生用じゃないので問題なし。というか、そもそもMac用じゃないですしね。
ちなみに、このモデル含め、現在発売されているBlu-rayドライブはどれも公式にはMac対応していません(過去にあったようですが今は品切れ)。とはいえ、実際使っている限りは、何の設定せずとも問題なく使えています。メニューにもBD関連の設定が出ますので、Mac OS Lion自体にもBlu-ray対応はきちんと入っているようですね。
以下、簡単な動作確認結果です。
| メディア | 書き込み (ファイル書き込み) | 読み込み |
|---|---|---|
| 音楽CD | - | OK (itunesでリッピング) |
| CD-R | OK | OK |
| DVD-Video | - | OK (DVDプレイヤで再生) |
| DVD-R | OK (Finderからファイル書き込み) | OK |
| DVD-RAM | OK (Finderからファイル書き込み) | OK |
| BD-R (1層 25GB) | (未検証) | OK |
| BD-RE (1層 25GB) | OK (Finderからファイル書き込み) | OK |
| BD-RE (2層 50GB) | OK (Finderからファイル書き込み) | OK |
書き込み速度も十分でています。
Blu-rayへの書き込みはできないかなと思っていたのですが、あっさりできたのは意外でした。あんまり書き込みすることはなさそうですが、うれしい誤算です。あと、DVD-RAMが使えるのものうれしい。
といことで、
・公式サポートでないということは気にならない
・自己責任で使う
・BDやDVD-RAMの資産がある
というMacbook airユーザーの方には、Blu-rayドライブはいいかもしれません。
私が買ったのは古い型ですが、BDXL対応の多分新しいモデルでも大丈夫かと思われます。
捨てる、売る、電子化
人生は短い。この書物を読めば、あの書物は読めないのである。ラスキン
長らく放置状態にしていた物置を大掃除。すると出てくる出てくる、引越し以来開けていないダンボールや、二度と着ないであろう服、未だ読んでないものも含めた大量の本、長らく聞いていないCD。。。「いつかまた」と思って残してきたこれらの荷物達ですが、この状態では「いつか」も一生こないのはいい加減明白。思い切って「捨てる」「売る」「電子化」することを決めました。
大切な本は電子書籍化
電子化すべきか、残すべきか
掘り出されたダンボールの中身は、また読むかと思って残している書籍から、買ったものの一度も読んでいないもの、あるいは読み終わって処分していないものまで様々。不要なものは、捨てるか売るかするとして、問題は残しておきたい書籍達。紙の形はかさばるし、持ち歩くのも一苦労なので、ここはやっぱり電子化したい。とはいえ、自分で自炊環境揃えるのも大変ですので、前から気になっていた自炊代行サービスを利用することにしました。装丁が気にいっている本も多かったのですが、今の我が家では立派な本棚に並べてあげることもできませんので、見たい時に読めるPDFに生まれ変わってもらってもらうことにしました。
さて、自炊代行サービスといえば、出版社からスキャン代行業者への質問状以降、各所でいろいろな議論を呼んでいます。自炊代行というサービス、あるいは、それに対する作家・出版社の反応に対しては、それぞれ賛否両論あると思いますが、これらの事をきっかけに、怪しげな代行業者が減ったようなので、その点だけは少なくとも良かったのではないかと思います。
そんな中、業者選びは少々迷いましたが、結局、最大手のbookscanを選びました。
bookscanってどうなの?
bookscanといえば国内最大手で、サービス面も充実していて評判も非常に良い業者です。但し、人気のある分納期は遅く、一時期は半年待ちという頃もありました。さすがに今は大分緩和してきて、今日時点では2ヶ月半待ち程度。それでも長いです。
そこで、選んだ選択肢は、納期が優遇されるプレミアム会員。これが非常に便利!。以下、簡単ですが、使用後の感想です。
プレミアム会員
bookscanのプレミアム会員は月額9980円。ちょっと高額に思えるかもしれませんが、50冊分のスキャンと、非常に充実したサービスがついてきます。50冊以上本があるなら断然こちらがおすすめです。以下、一部サービス内容を抜粋します(2012/1/2時点)。
- 毎月50冊分まで無料でスキャン
- 納期は、書籍到着後、当日〜1週間以内にPDF化
- Amazonや楽天ブックス等のサービスから、直送指定可能
- OCR、名前変更作業付き
50冊分のスキャン換算であれば1冊200円ですね。通常コースならスキャンだけなら100円でも可能ではあるのですが、ファイル名変更(個別だと50円/1冊)はないとかなり不便だし、あとあとの検索を考えるとOCR処理もしておきたい。となると、結局1冊あたり150〜250円はかかる計算になるので、決して割高ではありません。何より、待たずにすぐスキャンしてくれるのはうれしいです。スキャンデータを一括ダウンロードできるアプリも大量のスキャンデータがあるとかなり重宝しますよ。
プレミアム会員は、一時は会員枠の空き待ち状態で、登録したくてもできない状態がでしたが、今はすんなり登録できました。キャパが増えたのかも。
チューニングラボ
そしてbookscanの一番のおすすめはチューニングラボ。空白除去や文字の鮮明化処理、容量圧縮をほどこして電子書籍リーダーやスマホ・タブレットへ最適化してくれます。これが想像以上に便利。実際、単行本なんかをスキャンすると、上下にかなりの空白があるので、スキャンデータそのままでは無駄なエリアが多く、文字もその分小さくなってしまいますが、チューニング後のデータはかなりいい感じに処理されて、無駄な空白がきれいに除去されて非常に読みやすくなります。これだけでもbookscanを選ぶ価値があるといっても過言ではないです。
ちなみに、チューニング後のpdfはOCRデータは削除されていました。
ネットショップからの直送指定
また、これまたすごく便利なのがネットショップからの直送指定。プレミアム会員限定です。今まで本は基本新品で買うことが多く、マーケットプレイス等で中古の本を買う場合も状態のいいものをできるだけ選ぶようにしていました。しかし、電子化するのが前提なら少々日焼けしてようがヨレてようが関係なし。中身さえ読めればOKなので、お手頃なものを選んで、直接bookscanに直送。プレミアム会員なので、購入後一週間以内にはスキャンも完了、いつでもどこでも読めるようになる上、お財布にもやさしいということで、かなり便利です。
私の場合、40冊ちょっとは家の蔵書を送って、残りの数冊はAmazon等で気になる本を直送、という形で運用しています。
著作権
唯一の不満点は著作権関連。これはbookscanだけの問題ではないし、むしろ自炊代行業者の中では努力されている方だとは思うのですが、それでも何がスキャンできて、何がNGなのか判別するのは非常に難しい。建前上は、スキャン依頼する方がそれぞれ確認すべきということなのかもしれないけど、現実に即しているとは思えません。実際、運用されたとしたら、確認する方だけでなく、される方もいい迷惑でしょうし(自炊代行を認めていようといまいと)。この辺なんとかならないかなぁと思います。
ちなみに、最初にbookscan送った書籍の中に、自炊代行を許可しない著者の方の本を含めてしまっていたのですが、それらはスキャンされずに丁寧に送り返されてきました。これから送付しようとされている方はご注意下さい。
どの作家が反対しているかは、以下の記事中で、自炊代行業者への質問状に名を連ねた122人のリストが確認できますので、参考になるかと思います (※ もちろん、これが全てではありません)。
何で読もう?
私の場合、PDFリーダー環境としては、iPad, kindle3, スマートフォン、それにMacbook airがありました。それぞれ一長一短ですが、やっぱり一番便利なのはkindle。軽いし、何よりe-inkがとにかく読みやすい!。一年程前に、興味本位で買ったものの、現状、日本語書籍が基本的にないのがやはりネックになって、US storeで雑誌をちょろちょろっと買って読んだくらいでお蔵入りしていたのですが、日本語PDFがまとめて手に入ったことで再登場。一気に、かかせないツールになりました。
日本上陸も近いと言われるkindleさん。kindle fireも魅力的ではありますが、本を読むのはメインならやっぱりe-inkモデルがおすすめです。
残りはリサイクルへ
さて、読みたい本は電子化するとして、残りは、もう読むことはないだろう本とCD達。CDについては、学生時代から書い集めたものがダンボールに二箱分ほど。お気に入りは既にPCの中ですし、CDを引っ張り出してきて聴くことなんてまずありません。多分この先もないでしょう。
これらは思い切ってリサイクルショップへ売却することにしました。私の場合、CDのジャンルとしてハードロック・ヘヴィーメタル系のものが結構あるのですが、こういうのはローカルのお店よりネットショップ向けなんだろうなと思ったので、今回は近所のお店ではなく、ネット系のリサイクルショップで売ることに決めました。
と、その前に、ものは試しということで、20枚程CDと古い本を見繕って近所の中古屋さん(ブックマーケット)に持って行ってみました。結果は、、、、、敢え無く惨敗。一緒にもっていた中古本達もあわせて、一部を覗いて値付け不可との判断。ちょっと悲しい。。処分してもらわずに引き取って来ました。
気をとり直して、今度はネット系ショップで売却手続き。こちらもいろいろありますが、評判を見ると、livedoor recycleが良さげです。品物単位で買取価格を見せてくれるのが好感が持てます。ということで早速申し込み。
申し込み日の2〜3日以降くらいの指定した日に、宅配業者の方が引き取りにきてくれます。10点以上なら送料は無料。準備としては、ダンボール詰めと、印刷した申し込み書と身分証目書の同梱。回収した次の日には到着、その次の日には査定完了。結果はWebで簡単に確認できます。近所の中古屋さんでは値付け不可だったものが、以外と高値(といっても100円強)だったりしてちょっとうれしい。トータルでほんとに高価買取になったのか定かではありませんが、一枚一冊ずつ値段がついているのが見えるのは安心ですね。
ということで、電子化とリサイクルで、場所をとっていた本やCDがだいぶへって、非常にすっきりしました。一気に整理するのも気持ちはいいのですが、今後はためずに継続的にしないとダメですね :-)
【関連書籍】
・はじめてのGTD ストレスフリーの整理術 デビッド・アレン 田口 元
・「捨てる!」快適生活―部屋スッキリの法則 飯田 久恵
・電子ブック自炊完全マニュアル 戸田 覚
・「自炊」のすすめ 電子書籍「自炊」完全マニュアル
すべてがπになる - 円周率の魅力
詩人味を持ち合せていない数学者は完璧な数学者とは言えない。カール・ワイエルシュトラス

3月14日は何の日かご存知でしょうかでしょうか? ホワイトデー? それもそうなんですが、もっとグローバルな記念日があるのです。上の画像は3月14日版のGoogleロゴです。そう、3.14で円周率(π)の日なんですね。Googleのロゴを見て知った人も多いんじゃないでしょうか。ということで、πの話をとりあげてみます。
Pi Day
日本人はゴロで記念日作るのが好きですが、これは日本限定じゃなくて、欧米でも"Pi Day"として結構有名みたいです。オフィシャル(?)サイト(http://www.piday.org/)ではπをあしらったTシャツやらも販売しています。ちょうど、アインシュタインの誕生日が3月14日ということもあって、大学などでイベントをもったりするところもあるようです。ちなみに、7月22日は円周率近似値の日とされているそうです。22/7が円周率の近似値として用いられるからとのこと。無理やり感がありますが、ヨーロッパ等では、日付の順序が、mm/ddではなくdd/mmになるので、案外受け入れられやすいのかもしれません。
円周率の覚え方
円周率(π)は、数ある数学定数の中でも、最も魅力溢れる数の一つですが、3.14159265...と延々と続く無理数である点が一般的には最も有名な特徴ではないでしょうか。私も子どもの時意味もなく100桁くらい覚えた記憶があります。その時は、ゴロとかではなく直接覚えてたような気がしますが、世の中には結構有名な覚え方というのもあるんですね。産医師異国に向かう 産後厄なく 産婦みやしろに 虫散々闇に鳴くというのが一番有名みたいです。
3.14159265 358979 3238462 643383279 (30桁)
円周率ついに割り切れる?
上述の通り、πが無理数なのは有名な話ですが、Googleで「円周率」を検索すると4位くらいに、次のnewsが入っています。ネタ自体も秀逸ですが、Googleもなかなか秀逸です(笑)。
数学定数の顔
円周率(π)は、その名の通り円周と直径の比をあらわす数ではありますが、幾何学以外のあらゆる数学の分野で顔を出します。その最たる例はオイラーの公式でしょう。eiπ = − 1それぞれ異なる由来を持つ虚数単位のiと自然対数の底e、そして円周率πの関係性が、ここまでシンプルな数式で表されるというのは誰もが驚きます。リチャード・ファインマンはオイラーの公式について、「我々の至宝」かつ「すべての数学のなかでもっとも素晴らしい,そして驚くべき公式の一つ」だと述べています。個人的には、グレゴリーの公式に初めて出会った時も衝撃的でした。
実用性云々はさておき、高校でオイラーの公式の証明くらいまでを教えるというのは、数学の魅力を伝えるという意味で非常に意味があるのではないでしょうか。
π
4= 1
1− 1
3+ 1
5− 1
7+ ...
πが奏でる音楽
πの十進表示は、一見ランダムに見える数字の羅列です。非科学的だと分かっていても、この数列には何らかのメッセージがあるんじゃないか?、なんてこともついつい考えたくなります。YouTubeに円周率を譜面に見立てて演奏している動画ありましたので紹介しておきます。多分ランダムな音階でもエコーかけたりするとそれなりに聞こえるということなんでしょうけど、やっぱり譜面がπだと思うと聴く方の気持ちがかわりますね。
様々な顔をもつ円周率π。今後も様々なかたちで人々を魅了し続けるでしょう。
【関連記事】
・始まりはいつもゼロ? - 0オリジンと1オリジン
・博士の愛した数式 - 数学の美しさ
・googleを電卓として使う
【関連書籍】
・不思議な数πの伝記 A.S.Posamentier, I.Lehmann
・オイラーの贈物―人類の至宝eiπ=-1を学ぶ 吉田 武
・πの歴史 (ちくま学芸文庫) Petr Beckmann
・数の悪魔―算数・数学が楽しくなる12夜
一風変わったApple製品用の小物達
すぐれたジョークは、すぐれたアイデアに通じる。本田宗一郎
実に久々の更新です。ちょっと古いネタになるんですが、Mashableの「The 10 Oddest Apple-Themed Products」という記事の中で、Apple好きならニヤリとさせられるような小物(大物もありますが)が紹介されていました。あとで調べてみると、日本で買えるものも結構あるようだったので、ここで少し紹介します。
500XL Giant Earbud Speakers
iPodのシンボルとも言える真っ白なイヤホン。500倍スケールのイヤホン型のスピーカーです。以下の楽天ショップで購入できます。
AirMail Manila Envelope
MacBookの発表の時に、その薄さを伝えるために封筒から出して見せたというのは有名ですね。実用性の程はわかりませんが、Laptopケースとして使うのは確かにおしゃれかも。
- AirMail : The world's most perfect sleeve for the MacBook Air : アメリカのサイトですが国際発送OKっぽいです。
- ハンドメイドフェルトケース MacBook Air用 (Amazon.co.jp) : ちょっと違いますが、こちらもよさそう。VAIO用も有り。
iClooly iPhone Stand
iTouch/iPhone用のスタンド。ちょっとした小物ですが、デザインが見事にマッチしてますね。
TwelveSouth BookBook
個人的にはかなりほしくなったのがこれ。思わず持ち歩きたくなりそう。
-
古い洋書と見間違えるような個性的なデザイン BookBook 13″
-
洋書のようなレザー製インナーケース Twelve South TWS-BG-000001 BookBook for 13-inch ブラック
他にもいろいろ紹介されていますので、残りは元記事をご覧下さい。(The 10 Oddest Apple-Themed Products)
最後におまけとして、あなたのiPhoneをiPadに変えてしまうGadgetを紹介しておきます。残念ながら非売品ぽいですが ^^;)。

([technabob] iphad: turn your iphone into an ipad)
実用性がどうかというのもありますが、やっぱりこういう小物って使ってて「うきうきするかどうか」が重要な要素だったりしますからね。遊びごころを忘れちゃいけません。スティーブ・ジョブスも言ってますからね。 ”Stay foolish, stay hungry.”。
【関連書籍】
・エモーショナル・デザイン―微笑を誘うモノたちのために Donald A. Norman
・誰のためのデザイン?―認知科学者のデザイン原論 Donald A. Norman
・スティーブ・ジョブズの流儀 三木 俊哉
Impossible is Nothing - 「音」で世界を「視る」
「不可能」とは自らの力で世界を切り拓く事を放棄した、臆病者の言葉だ。
「不可能」とは,現状に甘んじるための言い訳にすぎない。
「不可能」とは,事実ですらなく、単なる先入観だ。
「不可能」とは、誰かに決めつけられることではない。
「不可能」とは、通過点だ。
「不可能」とは、可能性だ。
「不可能」なんてありえない。(IMPOSSIBLE IS NOTHING)
モハメドアリ
冒頭の引用は、「不可能」という言葉を忌み嫌っていたモハメド・アリの語録を集めたものです。adidasの広告で使われていたので、ご存知の方も多いでしょう。私は最近まで知らなかったのですが、今では非常に大好きなフレーズです。特に最後の「Impossible is nothig」。ここに全てが集約されています。
「Nothing is impossible」じゃなくて「Impossible is Nothing」。前者だと「不可能なんてない」って意味になりますが、こっちは「不可能なんて何てことない」って感じです。世の中、物理的に不可能なこといくつでもありますが、だからといってそれが何かの限界を意味しているわけではなりません。
例えば、人は自分自身で空を飛ぶことはできないけれど、飛行機を発明しました。無限に生き続けることはできないけれど、言葉や文字で後世にメッセージを伝えることができるようになりました。一見不可能なことでも、方法はある。人類の歴史、あるいは、文明の発達は、まさに不可能との戦いです。
ここに一つの実例があります。皆さんは「反響定位」という言葉をご存知でしょうか。イルカやコウモリが持つ能力の一種で、音の反響を利用して周囲の状況を知覚する能力の事です。ソナーと同じ原理といった方が分かりやすいかもしれません。視力ではなく、一種の聴覚によって周囲の状況を「視る」能力です。
驚くべきことに、この反響定位を人間に応用するという研究がなされており、実際に身につけた人達がいます。有名な例が、アメリカのベン・アンダーウッド(Ben Underwood)君。彼は、3歳のときにガンで両眼を失って、それ以来視力を失ってしまいました。しかし、高校生になった彼は、友達と一緒にスポーツをしたり、ローラースケートに興じたりと、まるで視力がないことを感じさせません。その秘密が反響定位です。
なんと、彼は、自分で舌打ちをしてその反響を確かめることで、周囲の状況を知覚することができるのです。能動的に音を発しているので、バスケットボールのゴールや、路上の障害物等、自ら音を一切発しない静止物であってもその場所を特定できるのです。
・音で見る:「イルカ等の反響定位」を人で訓練(動画) - Wired Vision
・Human echolocation - Wikipedia (English)
人間の能力というのは想像以上の可能性を秘めています。物理的に失われた感覚を他の感覚で補完するというのは、以前、共感覚の記事(共感覚 - 色の音・香りの形)で紹介したNeil Harbissonの例とも共通するところがあります。まさに、Impossible is nothing。不可能なんてなんてことない、という実例です。
開発の仕事をしていると時には、無理難題とも言われることを頼まれることもあります。それは技術的制約であったり、時間的制約であったり様々です。しかし、そこですぐ不可能と答えを出してしまっては、技術者としては問題でしょう。もちろん、できないことをできると言うのは単なる無責任であり、プロの仕事ではありません。しかし、従来の方法で無理だから不可能というのはあまりに短絡的です。そもそも、できると分かっている事だけやっていては、技術者とはいえません。本来、不可能を可能にするのが、技術者や科学者の役目であり、やりがいでもあるのですがから。
Impossible is Nothing。「不可能」こそが次のステップへの最初の一歩です。
【関連記事】
・共感覚 - 色の音・香りの形
・過学習と局所解
・できそうでできない - 後だしジャンケンの心理学
・フェルミのパラドックス
【関連書籍】
・計算不可能性を設計する―ITアーキテクトの未来への挑戦 (That’s Japan)
・奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
・モハメド・アリ―その生と時代 (上) (岩波現代文庫―社会) 小林 勇次
・理性の限界――不可能性・不確定性・不完全性 (講談社現代新書)
・「人を動かす」英語の名言 (講談社バイリンガル・ブックス)
Google翻訳の実力
二人は昼も夜も聖書を読んだ。だが私が白と読んだところをあなたは黒と読んだ。ウィリアム・ブレイク
久しく更新してなかったこのブログですが、久々に更新です。更新しなかった理由、、というわけでもないのですが、今年の4月から仕事でドイツにしばらく住んでます。ドイツは、ヨーロッパの中では日本と国民性も近いし、治安もいい、アウトバーンや鉄道も発達しているので、どこへ行くにも便利。料理は、、、まぁ南欧の国に比べたら落ちるかもしれませんが、素朴でおいしいです (^^)。ということで、非常に快適な国なのですが、唯一の問題は言葉の壁、つまり「ドイツ語」です。ということで、久々のエントリのテーマは「翻訳」です。
幸いにして、ドイツの方、特に都市部の人達の多くは、英語が結構堪能なので、英語さえ多少話せれば、ドイツ語はしゃべれなくても生活にはそれ程困りません。とはいえ、仕事柄、ドイツのニュースやネットを検索して情報をとったりする必要があります。この時、単語単位で調べてたら日が暮れますので、大抵翻訳ツールのお世話になります。市販ソフトもありますが、onlineで無料のものがありますので、そちらを利用します。有名なのは、Excite翻訳やGoogle翻訳でしょうか。使われてる方も多いと思います。
しかし、この翻訳サービス、残念ながら日本語版の翻訳精度はあまり良くなく、あまり評判は良くありません。全く使えないとまでは言わないものの、結構愉快な結果が得られます (^^;)。特にgoogle翻訳での、日本語訳は、かなりとっぴなものになりがちですが、この理由は、Google翻訳が他の翻訳エンジンのようにルールベースではなく、統計的学習手法をベースにした手法のためです。
・Google翻訳 よくある質問
・Google翻訳が面白すぎる件 (Cozy Ozy)
(英) Yukio Hatoyama -> (日) 鳩山由紀夫 (漢字!!)
(英) Nobi Nobita -> (日) 野比のび太 (こちらも有名人)
(英) hanshin tigers -> (日) 阪神 (タイガースは冗長とのこと)
(英) Astro Boy -> (日) 鉄腕アトム
(英) miku -> (日) 初音ミク (全国のミクさん可哀想・・)
(英) karoshi -> (日) 過労死 (今や世界共通語)
(英) I'm sorry -> (日) ごめんね (ちょっとフレンドリー..)
(英) Hey! -> (日) おい!
(英) Hey!! -> (日) ちょっと! ("おい!" < "ちょっと!")
なんだか、前ふりが長くなりましたが、このGoogle翻訳は、決して誤訳を楽しむだけのものではありません。かなり実用性があります。
特に、実力を発揮するのが、二つの言語構造が似ていて、且つどちらもメジャーな言語の場合です。具体的には、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、あたりでしょうか。特にドイツ語と英語だと、同じ西ゲルマン語群で文法構造も似ているので、学習精度も高いのでしょう。実際、ドイツ語のニュースや記事をGoogle翻訳で独->英翻訳して読んでいますが、だいたい意味は分かります。例えば以下のような感じです。
・
Wikipedia - Hanshin Tigers (独->英翻訳)
・
Wikipedia - Hanshin Tigers (独->日翻訳)
英訳時の精度の高さがよく分かります。もちろん不自然な言い回しはどうしても出てきますが、私はあんまり気になりません (自分の英語能力が高くないおかげもあると思いますが.. :-P)。 上の例でも分かるように、欲張って、日本語訳まで期待すると、かえって訳がわからなるので、英訳で止めておくのがポイントです。
他の言語のページもたまに読みますが、英訳までで止めておけば結構使えます。もし、英語以外の言語のページを参照しないといけないという方は、ぜひお試し下さい。Google翻訳の真の実力が分かりますよ。
(補足) よく使う方に向けには、ブックマークレット(bookmarklet)が (翻訳ブラウザ ボタン)
【関連記事】
・googleを電卓として使う
・検索力
【関連書籍】
・翻訳に役立つGoogle活用テクニック 安藤進
・Google Hacks 第3版 ―プロが使うテクニック & ツール 100選 山名早人
・Spidering hacks―ウェブ情報ラクラク取得テクニック101選 村上雅章
せっかく作ったのだから・・ - サンクコストの罠
過ぎ去りしことは、過ぎ去りしことなれば、過ぎ去りしこととして、そのままにせん。ホメロス - 『イリアス』
サンクコスト (sunk cost) という単語を耳にされたことはあるでしょうか。日本語では「埋没費用」と訳されます。Wikipediaを見ると、「事業に投下した資金のうち、事業の撤退・縮小を行ったとしても回収できない費用」と説明されています。マーケティング用語ですが、今回は、ソフトウェア開発におけるサンク・コストとその対応について少し考えます。
サンク・コストのわかりやすい例としてよく用いられるのが映画館の話です。これまた、Wikipediaからひっぱってきましょう。
ある映画のチケットが1800円であるとする。しかし映画が余りにもつまらない時、1800円払った映画を見るべきか、それとも映画館を出て残りの時間を有効に使うかが問題となる。この場合、チケット代1800円が埋没費用となる。この埋没費用は、どの選択肢を選んだとしても回収できない費用である。そこで時間を浪費してまで、つまらないと感じる映画を見続けることは合理的な選択とはいえない。残りの上映時間を有効に使うことが合理的な選択となる。
- 映画を見るのを止めた場合:チケット代1800円は失うが、上映時間を有効に使うことができる。
- 映画を見続けた場合:チケット代1800円に加え、約2時間(上映時間)を失う。
あるソリューションの開発に巨額の投資をしてきたが、他社がそれを大きく上回るソリューションを提供してきた。今の開発を続けても勝ち目はない。それでもとりあえず開発を完成させるべきか、それとももう一歩のところとはいえ、ここできっぱりやめるべきか。こういう事業判断もそうですね。
ついつい「せっかくここまでやったのだから。。」という考えをしてしまいがちですが、どちらにせよ過去の投資は返ってこないのだから、それらはサンク・コストとして考えてはいけないはずです。冷静に考えて見ればあたり前の話ですが、人間心理としてついついサンク・コストとこれからの投資を混同してしまいがちです。今までやってきたことを「無駄」だったと認めることは、精神的にはつらいところですからね。しかし、それは仕方のないことなので、きっぱりあきらめることが肝心です。
先の例は、事業判断の話になりますが、開発の現場でも同じような話があります。で、よくある話としては、初期の設計がまずい、あるいは、担当者のスキル不足から「こりゃ作り直した方が早いな」というケースです。こういう場合、「せっかくここまで作ったんだから」あるいは「この人もせっかく慣れてきたところだし」ということで、結局そのまま作り直さないでいることがありますが、この時サンクコストに囚われていないか判断が必要です。本当にその判断が正しいであれば、「せっかくここまで」というサンク・コストは無視して、今を基準にした判断が必要です。
こう書くとと、「問題がでたらすぐにあきらめましょう」と誤解されるかもしれませんが、そうではありません。それまでに払ったコストは返ってきませんが、そこで得られた経験はあるはずですので、それは考慮すべきです。これらは今後の投資額に利いてきます。
それに、プログラマという人種は「作り直し」が好きなので、本当に作り直した方が早いのかは、よく考えた上で判断する必要がありますね。
また、方針転換でリソース再分配する際には、部分最適だけに走って、プロジェクト全体のクリティカルパスに影響を及ぼしたり、長期的に無理が生じるようなことのないようにもしないといけません。
何にしても「引き時」というのはほんと難しい。それを痛感する今日この頃でした ^^;
【関連記事】
・手堅い見積もりが遅れを生む - セーフティの弊害
・このバグ直しますか? - 原因療法と対症療法
【関連書籍】
・サンクコスト時間術 (PHPビジネス新書 66) (PHPビジネス新書 66) 斎藤 広達
・ソフトウェア開発者採用ガイドJoel Spolsky 青木 靖
・図解 実戦マーケティング戦略 佐藤 義典
・ソフトウェアプロダクトライン―ユビキタスネットワーク時代のソフトウェアビジネス戦略と実践 前田 卓雄
守破離
規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても もとを忘るな千利休
人気blog「分裂勘違い君劇場」の記事「中途半端に優秀なプログラマが「正しいプログラミングテクニック」だと妄信しがちな3つポイント」という記事が注目エントリになっています。ということで、ひさびさにコメントがてら投稿したいと思います。
あげられているのは、次の三つ。
- 「変数のスコープは狭いほど良い」と妄信する
- 「同じロジックのコードを2度以上書くな」と妄信する
- 「プログラミング言語を極めるのが大切」と妄信する
いかにも議論を呼びそうな内容ですね :-)。既に多くのコメントが寄せられていますが、一言で言えばケースバイケースということにつきます。何にでも例外がありますからね。この辺、言うまでもなく「適切な」判断が一番なのですが、そうはいっても、初心者にとってその判断はなかなか難しい。そこで、「スコープは狭く」とか「コピーはだめ」とかいうコーディングルールになってしまいます。
但し、あくまでこれは「基本」であるということを忘れてはいけませんね。それを忘れて妄信する人はたしかに多いです。そういう人の中では、手段と目的が入れ替わっています。「手段」を妄信するあまり、いつの間にか「目的」の方が「手段」を正当化するための「手段」になっています。まさに本末転倒です。
さて、この手の話でよく引用されるのが「守破離」とう言葉。茶道や武道で用いられる上達に至る経緯を表した言葉です。「守」は、師についてその流儀を習い、その流儀を守って一般的には、「守」の段階ではまず型に従うことに徹して技を磨き、「破」ではその型を破ることで自分の型を見出し、「離」の段階で、元の型から離れ独自の境地に達する。
本質を端的に表した言葉ですが、これを実践するのはなかなか難しい。特に、ステップ移行のタイミング。早ければ独りよがりになり、遅すぎればいつまでも進歩しない。そうならないためには、自分の得意分野をひとつは持ってそれを極めつつ、視野を広くもって周りにも目を向ける。局所最適を防ぐにはほどよいノイズがあるくらいが調度よいものです。
【関連書籍】
・プログラミング作法 Brian Kernighan Rob Pike
・チェンジ・ザ・ルール! 三本木 亮
・組込み現場の「C」プログラミング 標準コーディングガイドライン 福田 晃
・改訂版 組込みソフトウェア開発向けコーディング作法ガイド[C言語] (SEC BOOKS)
・武士道 (岩波文庫) 矢内原 忠雄
【関連記事】
・過学習と局所解
・このバグ直しますか? - 原因療法と対症療法
・ルールを破る時のルール
【関連リンク】
・ソフトウェア開発の守・破・離
かわいいコードに旅をさせよ
人は誠実な批評よりも心にもないお世辞を好む。プラトゥス
設計レビューやソースコードレビューといったレビューは、ソフトウェアの品質確保だけでなく、開発者のスキル向上のためにも非常に有意義です。このレビューを有意義なものとするために心がけてべき最も重要なことのひとつが、
「自分の書いたソースコードや設計書に対して客観的であること」
です。簡単そうで、これがなかなか難しい。
人間、自分で作ったものは愛着が出ます。これはソースコードも同じ。エレガントなモデル設計やスマートなアルゴリズムに仕上がったものは誇らしいけど、混乱した設計や実装も、こんなはずじゃないんだ、分かっているんだとかばいたくなる。なので、人からつっこまれると、ついつい、ソースコードの味方をしてしまうことがあります。これは、ちょっと過保護で、ソースコード君のためにはなりません。
レビューに関しては、「責める」のではなく「褒める」とことが大事だという意見もあります。確かに、自分の書いたコードや設計が褒められるのは悪い気はしません。褒められて伸びるというのも否定しませんが、そこで喜ぶのはその成果物を客観的に見れていないということです。「褒める」という行為によって、自信をもたせることもひとつ重要な点だとは思いますが、悪い点はそこそこに、良い点ばかりを見るように仕向けるのは決していい方法とはいえません。
「プラス思考」「ポジティブ・シンキング」という言葉があります。この言葉を「いいように考える」という意味で使っている間は、決してスキルアップはありません。マイナス面に目をつむって、いい部分だけ見ていては、それ以上の改善はありません。「いいように考える」のではなく「よくするように考える」、悪い点があるのなら、そこをどうやっていい方向に持っていくかを考える、守るだけでなく攻める、そういう姿勢が重要です。批判は単に「耐える」ものではありません。素直に受け入れてそれを力に変えることが重要です。レビュアは敵ではないんですからね。
なお、レビュアの方も単に攻撃してやろうという気持ちだけではいけません。意見を受け入れられるように的確な対案をまじえながら建設的な指摘する、そういうレビュア側の姿勢も、高品質・高効率なれビューには非常に重要です。
【関連書籍】
・ピアレビュー―高品質ソフトウェア開発のために Karl E.Wiegers 大久保 雅一
・「ほめる」技術 鈴木 義幸
・ソフトウェアインスペクション Tom Gilb Dorothy Graham 伊土 誠一
・ソフトウェア・レビュー技術―基礎から実践までのノウハウ 織田 巖
・ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵 トム・デマルコ ティモシー・リスター
【関連リンク】
・ルールを破る時のルール
・射撃しつつ前進
ディズニーランドに学ぶ
ディズニーランドはいつまでも未完成である。現状維持では、後退するばかりである。昨日WBSでのサービス業におけるサービスのありかたについての特集がありました。サービスの基本は、お客様の視点に立ち、それを徹底して実践すること。それを実践している代表格がディズニーランドです。
ウォルト・ディズニー
WBSの中でもいくつか紹介されていたのですが、特に感心したのが、ディズニーランドの水飲み場の話。ディズニーランド内の水飲み場は、親用と子供用の二つがセットになっており、子供用のものは踏み台があるんだそうです。なぜ、そういう形をとっているかというと、親子で水を飲んだ後、ふと顔をあげた時に目線があうようにしているため。アイコンタクトを演出することで、水飲み場でさえもふれあいの機会に変えてしまうという発想には感動しました。ディズニーランドが、ユーザー体験をいかに大切に考えているかということを如実に表しています。
さて、その他、ディズニーランドには様々なこだわりが存在します。トリビアっぽい話ですが、少し紹介します。
※ よせあつめなので、もし誤りがふくまれていればご指摘下さい m(_ _)m
■ ミッキーは世界に一人?やや都市伝説的な風もありますが、ミッキーマウスは同時刻に同じ場所に決して現れないという話が時々聞かれます。いろいろ調べると、実際、以前はそうなるように秒単位のスケジュールを組んでいたようですが、さすがに、全世界でそれを実現するのは難しいのと、ミッキーになかなか会えないという不満もあって、最近はそこまでは徹底されていないようです。特に、最近では、いつでもミッキーに出会えるミッキーの家・ミートミッキーというアトラクションもあるようですし。ちなみに、この件については、ミッキーは魔法使いの弟子なので、瞬間移動や分身の術が使えるからという説明がなされているそうですが ^^;)
ということで、完璧ではないものの、そこまで考えて夢をこわさないでおこうという徹底ぶりはすごいです。
■ 立ったまま掃除
ディズニーランドのカストーディアル(清掃担当のキャスト)は、地面の拭き清掃する際は、地面にふきんを置いて、それを足で踏んでふきます。正直行儀悪く見えますが、これは手で拭くためにしゃがんでしまうと、お客さんの視野から消えてしまい、ぶつかってしまう危険性があるためだそうです。
ディズニーランドではSCSEというキーワードで、SAFETY[安全性]、COURTESY[礼儀正しさ]、SHOW[ショー]、EFFICIENCY[効率]が重視されています。優先度はこの順。よって最も重要なのがSAFETY[安全性]です。足での拭き掃除はこの安全性追及を徹底した結果なのです。
■ いらっしゃいませは使わない
ディズニーランドでのお出迎えのあいさつは「いらっしゃいませ」ではなく「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」。この理由は、コミュニケーションを生み出すため。「いらっしゃいませ」といわれても「いらっしゃいました」とは返答できないからということだそうです。なるほど。
逆に、コンビニ等でよく明らかに形式的な「いらっしゃいませ」を聞くことがありますが、個人的にあれは非常に苦手です。形式的なものならないほうがいいです。あいさつはコミュニケーションの第一歩ですからね。
■ 日常的なものみせない
鏡や時計は現実を思い出させるのでなるべく目立たないように。スタッフの移動やバックヤードはゲストの目に付かないようにできるだけ隠す。ホテルの高さも視界を遮らないように高さ制限がある。迷子アナウンスも基本的になし (これはちょっと心配になる人もいるようですが、キャスト(従業員)が多いので、基本キャストに聞けば迷子センターにつれていってくれるので大丈夫なんだとか)。日常的に非日常を作り出す努力を惜しまないということが徹底されています。
■ 清潔へのこだわり
ディズニーランドの清掃へのこだわりはすごい。常時300人ものカストーディアルが働き、ゴミ箱も10m置きに設置。そのゴミ箱はポスト風でとてもきれい。人間、きれいなものを汚すにはやはり抵抗がありますから、きれいにすればするほど、自然とゲスト側も清潔さを保つよう気をつけるようになるんですね。
私の場合、組込みエンジニアという職業柄、直接お客様と出会う機会はあまり多くありません。しかし、ものづくりも「もの」を媒体としているだけで、一種のサービス業です。直接的ではなくとも、いろいろ考えさせられます。何より、その徹底ぶりに感嘆します。
いいわけなしは気持ちがいいですね。
【関連記事】
・先味・中味・後味
【関連書籍】
・ディズニー7つの法則―奇跡の成功を生み出した「感動」の企業理念 Tom Connellan 仁平 和夫
・東京ディズニーランド「継続」成長の秘密―“ディズニー的”教育訓練の底力 小松田 勝
・リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間 高野 登
・商売心得帖 (PHP文庫) 松下 幸之助
射撃しつつ前進
仕事を追え。仕事に追われるな。年々仕事量が増えてきて、どんどん忙しさは増してくる。原因は、次々とふってくる仕事。こなしてもこなしても、空いたスペースに仕事が入ってくる。。。
ベンジャミン・フランクリン
私自身そうですが、業界問わずよくある話だと思います。仕事がもらえるのはありがたいとは言えるのですが、こんな時は、ついつい「やらされている」という意識をもってしまいがちです。既に十分すぎるほど忙しくて余裕がない時に、新たにたのまれた仕事などは特にそうでしょう。しかし、仕事に対する意識が「受身」になると、モチベーションもさがってしまいまい、効率も非常に落ちてしまいます。「やらされている」という意識の裏には「こんな仕事やりたくないのに」という思いがあります。やりたくないのだからモチベーションなんてあがるはずもありません。しかし、同じ仕事でも、その時自分に余裕があれば、積極的にヘルプにまわることだってあるのではないでしょうか。例えば、人のデバッグ手伝うとか、危機に陥ったプロジェクト立て直すとか。こんば時は、「やりたくない」というより、むしろ「やってやる」「面白い」という思いになります。
そう考えると、結局のところ、仕事のモチベーションを決定付けるのは、「仕事の内容」ではなく「気持ちの持ちよう」です。課題が「与えられた課題」「受動的な課題」であればしんどいが、「自発的な課題」「能動的な課題」であれば楽しい。なので、「受動的な課題」を「能動的な課題」として再定義できれば、モチベーションもあがります。「これこれをしないといけない」ではなく「これをやってやろう」。そうすると、そこに工夫もうまれ、面白みもでます。守りから攻めに。攻撃は最大の防御です。射撃しつつ前進あるのみ。
第一流されててはつまらない。自分発でないと面白くないですからね。
[後記] エントリ名長ったらしかったので変更 ^^;
【関連書籍】
・ピープルウエア 第2版 − ヤル気こそプロジェクト成功の鍵 トム・デマルコ ティモシー・リスター
・プロ論。 B-ing編集部
・プロジェクトX リーダーたちの言葉 今井 彰
【関連リンク】
・ルールを破る時のルール
・射撃しつつ前進 - Joel on software
先味・中味・後味
紳士淑女をおもてなしする私たちも紳士淑女である。外食産業では、「先味」「中味」「後味」という3種類の味わいがあると言うそうです。リッツカールトンのモットーより
先味とは、食事の前に感じるお店の雰囲気だとか接客だとか。中味は食事の内容そのものと食事中の雰囲気。後味は食後の対応や記憶に残るもの。この中で何が一番大事かと言えば、「後味」がやはり一番大事だということ。最初は最も見えにくいものですが、最後には最も印象に残る部分ですもんね。
商品開発にあてはめれば、「先味」がプレゼンテーションやマーケティングによる「ほしい」「使いたい」「楽しそう」と思わせるアピール、「中味」は買ったとき、使っているときの楽しさ、「後味」は保守サービスやサポートにあてはまるでしょうか。
Appleなんかはこの中の「先味」がとっても上手。「中味」がいくら素晴らしくてもまずは手にとってもらわないとわからないですもんね。ちょっと毛色は違いますが、通販のジャパネットタカタも「商品によって生活がどうかわるか」を前面に押し出したセールストークになっていてなるほどと思わせるのが上手です。これに対して後味は商品購入前にはなかなか見えてこないものですが、実際のユーザー満足を決定付ける重要な要素です。
ソフトウェア開発に関してもそれは同じ。本当の品質は保守段階になってはじめて見えてくるものが多いもの。作り手としての責任でもありますしね。
【関連書籍】
・リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間 高野 登
・なぜみんなスターバックスに行きたがるのか?
Scott Bedbury 土屋 京子
【関連リンク】
・ほぼ日刊イトイ新聞 - おいしい店とのつきあい方。







